梅雨真っ只中の散歩道2009年06月22日

 「こんな雨やのに、今日も散歩行くん?」。家内の声を背中で聞きながら玄関ドアを開ける。大き目のこうもり傘を開いた途端、大粒の雨が布を打ち据える激しい音が耳に飛びこむ。その雨足のこ気味よさに思わず快感すら覚えてしまう。
 いつもは静かな有馬川が、上流からの大量の雨水を飲み込んで大声で呻き声をあげながら駆けている。小降りになり始めていた雨足がいつの間にかやんでいる。梅雨真っ只中の散歩道が、いつもと違った顔つきをあちこちで覗かせる。急に雨カエルたちが一斉に鳴きはじめた。ゲッゲッゲッゲッ・・・・。鳴き声が真夏の蝉しぐれを思わせる大合唱になって襲ってくる。・・・と思うまもなく大粒の雨が降りだした。雨ガエルたちの皮膚感覚が、降り始める直前の雨足を感知するのだろうか。その見事なハーモニーにあっけにとられながら、傘を持つ手を握りしめた。