主治医の言葉を固唾を呑んで待ち受けた2010年12月22日

 一週間前に大阪市大病院で肺のCT検査を受けた。3ヶ月前の同じCT検査で肺に小さな影が見つかったための再検査だった。主治医は「心配はないと思うが経過観察が必要」との判断だった。順調だった癌の手術後の経過に一抹の不安が生じた。その後服用した降圧剤の副作用や風邪の症状の所為かも知れなかったが、肺癌の初期症状を疑わせる高くなった咳の頻度も不安を募らせていた。そんなこんなで少しナーバスな気分で先日のCT検査結果を知らされる診察日を迎えた。
 主治医の若い女医さんが待ち構える診察室に入る。「CT検査の結果ですが・・・」。次の言葉を固唾を呑んで待ち受ける。「前回の影に増大等の変化は見られないという検査報告でした」。(ヨカッタ~ッ)。「もちろん引き続き観察は必要ですが、一般に悪性腫瘍の場合は増殖する傾向があるので、3カ月経過して増大が見られないというのはひと先ず悪性腫瘍という事態はないとみてよいでしょう」「影が映っているというのはどんなことが考えられますか?」「ひとつは肺の炎症です。今ひとつは良性の腫瘍です。他には新たな悪性腫瘍の発症や既往の腫瘍の転移などが考えられます。いずれにしろ術後10年間は頻度は別にして検査による観察が必要です」。
 術後の経過が順風満帆であることの方が異例なのだ。絶えず何らかの異常が起こりうると思った方が良い。遅いか早いかの問題で癌細胞は万人に発症するという話しも聞く。残りの人生が何年なのか誰もわかりはしない。要はそうした気構えで病と付き合うことだと割り切った。
 それでも病院を出てネット予約していたシネコンに向う足取りは間違いなく軽やかだった。軽やかな気分で観賞した「最後の忠臣蔵」の感想は明日のブログで記すことにしよう。