名来老人クラブ・おしゃべり会の飛び入り参加2012年07月14日

 午後、山口旧地区の名来公会堂に出かけた。名来老人クラブ・おしゃべり会の橋本芳次さんの「お話し」を聴くためだ。老人クラブのメンバーはおろか名来の住人ですらない。老人クラブの世話役のお一人から情報を頂き、飛び入り参加した。講師の橋本さんは、一昨日も山口公民館講座で「山口の歴史(近世編)」をお聴きしたばかりの山口町の郷土史研究の第一人者である。
 会場には三つに分かれたテーブルに30人位の参加者がつめかけている。一番奥の講師と同じテーブルの左隣の席に案内された。私の公民館講座の受講者など面識のある方の顔も見えた。
 「お話し」のテーマは「(名来村の)近世の領主」だった。既に過去2回同じテーマで話があったようで、今回は最終回である。初回に配布された資料を隣席の知人に見せてもらった。江戸期の歴代領主の有馬氏、松平氏の系譜や、幕府直轄領から分離して名来、下山口を領した田安家などの系譜が記載されている。上山口、中野、船坂の三村が、幕府直轄地と大坂城代の知行地に変遷した経過の図解もある。
 今回の「お話し」は、山口五村の検地と石高の解説が中心だった。江戸中期の延宝検地の結果をもとに各村の石高が確定された経過が語られた。江戸初期の有馬豊氏の検地との比較で各村ごとの増減の違いなども解説される。持ち味である緻密で実証的な解説が遺憾なく発揮される。最後に幕末の有馬郡南部の各村ごとの所属領を区分した地図の解説があった。幕府領、田安家領、三田藩、飯野藩、岡部藩、尼崎藩などの区分が図示されたものだ。ご自身で作図された貴重な資料である。
 お話しの後、講師は一旦近くの自宅に帰られ一冊の書籍を手に再び戻られた。私にその書籍を渡すためだった。刊行されたばかりの橋本さん著作の「平尻道の地図帳」と題された書籍である。執筆中からその話を聞き、発刊後にはぜひ分けてほしいとお願いしていたものだ。今日、私の顔をみてすぐに願いを叶えて頂いた。この貴重な著作についてはあらためてレポートしようと思う。

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