大型台風襲来と盆踊り中止の余波2014年08月10日

 暴風・豪雨の大型台風11号が接近していた。昨晩に予定されていた我が町の盆踊り大会も中止に追い込まれた。29年前に始まって以来、2000世帯を擁する新興住宅街挙げての一大イベントだった。住宅街の中の小学校の校庭を会場に自治会を中心に地域の各団体も一丸となって夜店の出店や運営準備に当たっていた。
 台風直撃の予報を受けて、二日前には会場を小学校体育館に移しての決行が決まっていた。ところが当日の朝から接近しつつある台風で風雨の激しさに見舞われた。会場変更後の開催すらも危ぶまれた。警報が発令されるに及んで昼頃には遂に主催者の自治会執行部の判断で中止が決定された。雨天の場合、翌日順延が予定されていたが、その日は台風の近畿直撃の日である。中止決定は当然の判断だった。
 思えば、盆踊りが始まって以来29年の歴史で二度目の中止である。最初の時の中止決定には私も自治会副会長として関与した。9年前のJR福知山線脱線事故の年である。大阪のベッドタウンの色彩も強い我が町の住民も多数の死傷者を出した。4月25日の事故発生の余韻の残る8月の盆踊り開催の是非が問われた。沿線各地区からの盆踊り中止の情報も入っていた。事故関係者の心情を思えば開催はいかにも心苦しい。そんな判断で最終的に中止が決定された。
 今回も盆踊り開催に向けて1カ月以上も前から関係者たちは懸命に準備を続けていた。夜店用の食材手配も完了していた筈だ。多少無理でも開催を望んだ関係者も多かったに違いない。そんな中での安全第一の苦渋の決断を下すほかなかった自治会執行部、とりわけ今年就任したばかりの40代の女性会長の心労は察するに余りある。