「ゆるいいふなさか」。過去、現在、未来のコラボ2015年07月05日

 山口支所で小冊子「ゆるいいふなさか」(写真で見る船坂小学校のあゆみ)を貰ってきた。市のFacebookで7月1日に無償配布されるというアナウンスをみてすぐに支所に出かけて入手した。
 全26頁の手作り感あふれた小冊子は「ゆるさ」が基調となって綴られている。見開きの1・2頁をわずか50字ほどの文字が流れている。「ゆっくりと流れる時間、静かで優しい風景、いつも迎えてくれる温かい笑顔。そんな船坂の『ゆるさ』が私たちは大好きです」。この小冊子作成に携わった若者たち「ふなさか組」からのメッセージである。ふなさか組は「西宮船坂ビエンナーレ」で出会ったボランティアメンバーの若者たちで結成された。
 平成22年3月、船坂小学校は少子化の波の中で130年の歴史を閉じて閉校となった。校長室からは大量のアルバムが見つかった。アルバムに詰まったたくさんの大切な思い出・・・。この思い出を失くしたくない!思い出を通して船坂の過去を辿りたい!そんな想いが若者たちを突き動かした。その結果生まれたのがこの小冊子である。
 アルバムに保存されていた写真43葉が「戦前」「戦後昭和の前半」「戦後昭和の後半」「平成」の四つの時代に分類して紹介されている。学校行事、式典、船坂の風景、子どもたちの遊び、校内風景などが、時代ごとに装いを変えて登場する二宮金次郎のイメージキャラクターをガイド役にして展開されていく。二宮金次郎像は今も校庭の一角に建つ船坂小学校のシンボルである。
 巻末には、冊子制作の過程で90名以上の船坂住民の協力を得たとある。写真提供や写真解説のための聞き取りなどの協力である。アルバムにこめられた船坂に生きた人々、今も船坂で生活する住民たち、船坂の未来に夢を馳せる若者たち。船坂の過去、現在、未来の見事なコラボレーションが一冊の冊子にこめられている。