小さい秋見つけた2015年07月10日

 梅雨が一向にあける気配がない。今朝もどんよりした空の下を、さえない気分で歩いた。有馬川堤を愛宕橋の手前までやってきた。堤の東側に建つ一軒家がある。その庭の一角なのだろうか。堤の麓に栗の木が立っている。
 何気なく眺めた栗の木の濃い緑の葉っぱの中に、鮮やかな黄緑の栗の実がイガを纏って実っていた。季節はまだ初夏である。栗の実という秋の風物が既に時節到来の準備を始めている。
 さえない気分が一瞬洗われた。思わず「小さい秋を見つけた」と呟いた。幼い頃に口ずさんだ童謡の歌詞の一節がついて出た。
  ♪ 誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた
      ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた ♪