祇園祭 後祭・曳初め観賞と「祇園祭特別会席」2015年07月21日

 ペルソナカードのメール配信で興味深い案内を受信した。祇園祭り後祭の山鉾曳き初めを、京の町家の二階席で会席料理を味わった後、目の高さで鑑賞するという趣向である。料金はひとり税込8500円である。かねてから一度は祇園祭りを観ておきたいと思いながら、真夏の人混みにたじろいでいまだ実現していなかった。そんな時に受け取ったこの案内に家内と相談してすぐに飛びついた。
 その当日の昨日の朝、10時頃に自宅を出て、JRと阪急電車を乗り継いで烏丸駅に11時40分に到着した。新町通に面した「くろちく本店 天正館」が観賞会場である。12時50分受付開始までたっぷり時間はある。事前にネット検索して調べておいた後祭の山鉾巡行エリアをめざした。南北に走る烏丸通を北に向かい四つ筋目の三条通から西に向かう。一筋目の室町通を南入るとさして広くもない通りに組立中の山鉾が目に入った。「黒主山」に続いて「鯉山」の骨組みだけの姿を横目に先に進む。一筋西の新町通で初めてかなり組立の進んだ山鉾姿を目にしてちょっとときめいた。「北観音山」のきらびやかなタペストリーに包まれた山をデジカメに納めた。更に南に進むと「南観音山」の雄姿が登場した。今回の観賞対象の曳山でありすぐそばに会場のくろちく本店があった。京町屋の内装を改築した和雑貨の店内で時間を潰した。
 受付を済ませて2階の昼食会場に上がった。30人ほどのテーブル席の幸運にも通りに面した席に案内された。料理は隣接する系列店・百足屋の特製三段重だった。京のおばんざい17種が三段の重箱に詰め合わされ、これに魚そうめんの先付、鱧おとしなどのお造り、鮎の塩焼きの焼き物、鱧ちらし寿司、赤だし、デザートが付いている。生ビールをたっぷりの肴で味わいながら美味しい会席を愉しんだ。
 2時過ぎには食事を済ませたが、3時からの山鉾観賞には間がありすぎる。猛暑の京都の町並みを山鉾観賞に出かけた。新町通を南に向かい四条通を越えた先に大船鉾がスタンバイしていた。舟形をした珍しい鉾で船首部の前掛けは今年150年ぶりに新調されたという。
 3時前にくろちく本店に戻り窓際に陣取った。通りには大勢の引手が左右二本の綱に手を掛けて待っている。賑やかなコンチキチンのお囃子が始まっていよいよ南観音山の巡行がスタートした。はやし方を中心に総勢40人が乗り込んだ曳山がお囃子に乗ってゆっくりと近づいてきた。大勢のはやし方が座るお囃子舞台がちょうど目の高さの至近距離を通り過ぎた。なかなかの迫力である。デジカメを動画に切り替えてしばらく撮影した。あっという間の今回のツアーのクライマックスを体験した後、会場を後にした。
 うだるような灼熱の路面をこれも祇園祭りの風物と観念しながら辿った。地下の阪急烏丸駅に辿り着いた時、ようやく生き返った気がした。宝塚駅周辺のカフェでアイスコーヒーで一息ついて6時過ぎにようやく自宅に戻った。