寒の戻りと三月の雪2014年03月06日

 起床してリビングに降りて雨戸を開けた。飛び込んできたのは白いベールに覆われた庭だった。三月に入り6日目である。この時期の雪に驚きを隠せない。テレビのニュースが日本列島に訪れた「寒の戻り」を告げていた。
 6時半頃に散策に出かけた。時おり目の前を粉雪が舞っていた。凍結していた住宅街の路面が、朝日を浴びて溶けかけていた。滑りそうな足元を庇いながらそっと歩いた。
 有馬川の土手道にうっすらと雪が刷いていた。澄み切った青空が清々しい透明感をかもしていた。冠雪の白い岸辺に腕を伸ばしているさくらの枝が、ひと際鮮やかに目に映った。枝先にはしっかりと蕾が息吹いていた。蕾の風情に三月の雪に立ち向かっている健気さを感じた。