介護者の会の広がり2015年04月22日

 住宅街の長老が主宰する介護者の会があった。前回参加者で月一回の開催を確認し合った定例会である。主宰者自身も昨年亡くなった奥さんを6年間介護した御年90歳の男性である。
 主宰者作成の「介護者の会ニュース」が配られた。A46段組みのワードによる広報紙風のペーパーだった。この年代の方の作成資料としてはよくできている。前回の簡単な報告と話題になった福祉―タクシーの解説、福祉ネットへの期待、介護の心がけなどの記事が掲載されている。裏面には地域包括支援センターや市の高齢者福祉在宅サービスなどの解説記事で埋められている。コツコツとおひとりで作成された頑張りと熱意に頭が下がる。
 参加者は10名と過去最高の人数だった。介護当事者5名、サポーターの社協関係者5名である。介護者の内3名は介護2~4のご主人を介護する高齢女性である。2名は実母や義父母を介護する40代の女性である。
 テーマは特に決めずに自由でざっくばらんな話題が飛び交う。今回は掛かりつけ医と病院の利用の仕方、緊急時の医療機関の問合せ、認知症サポーター養成講座、介護の苦労話などが話された。13時から15時半まで日頃の介護の梗塞感やストレスから解放されて、募る想いを吐露できる2時間半である。懇談を通じて得られるちょっとしたヒントや情報もまた意味がある。
 福祉ネットは介護者ケアも守備範囲のひとつである。その事務局長という立場からもこの会で得られるものは多い。認知症サポーター養成講座などは福祉ネットも開催に関わることで幅広い対象者への呼びかけが可能になる。何よりも介護現場の生の声こそが高齢者ケアのより本質的で深刻な情報である。