老後を生き延びる家事心得2008年12月25日

 夕方、台所から家内が呼んだ。なにやら不吉な予感・・・。
 一昨日、ご近所の親しいご夫婦と我が家で昼食を共にした。リタイヤ生活の先輩である。夫婦二人の老後生活が話題になった。ご主人は日曜大工だけでなく、窓拭きや換気扇洗いなどの年末掃除もやっているという。ご飯を炊くことなど朝飯前といわんばかりの口ぶりである。マズイ・・・非常にマズイ展開である。我が家の家風に全く馴染まない。これまで私はそれらの殆どから免れていた。急遽、口を挟んで話題を変えたものだ。
 リタイヤ生活に入り半年以上が経過した。食後の洗い物をキッチンに運んだり、時に洗ったり、朝のゴミだしをしたりと申しわけ程度には分担に応じてお茶を濁していた。先日の話題が後を引かねば良いがとの懸念が的中した。台所で炊飯器を前に「ご飯の炊き方を覚えとかなアカンやろ」と家内がのたまう。キタ~ッ。
 ①カップで量ったお米を水はけのあるボールで水が透明近くなるまで洗う ②水切りした米を炊飯器釜に移し、カップ数と同じメモリのラインまで水を入れる ③炊飯器のタイマー設定をして予約ボタンを押す
 ナンヤ!簡単やないか。こうしてひとつずつ家事を覚えさせられ分担させられていくのだろう。家内より先に逝くと確信しているものの、万が一ということもある。家内が家事に耐えられない病を得ることもある。今の私にはそうした事態への備えがない。自ら生き延びるすべを身につけておくこともやむなしと観念した。
 老後生活とは家事を身につけることと覚えたり。