「相棒」&「十津川警部シリーズ」2008年12月30日

 午後いっぱいテレビのサスペンスドラマを観て過ごしてしまった。ぐうたらな半日だった。昨日からのむかつきと下痢が尚残っておりイマイチ体調が思わしくないというのが言い訳である。
 もともとサスペンスドラマが好きだ。とりわけ「相棒」と「十津川警部シリーズ」には目がない。朝刊の番組表でその二つのシリーズが再放送ながら特番で放映される事を知ってしまった。これはもう見逃せない。ただ午後のテレビ番組をひとりで独占できるかという懸念があった。幸いというべきか息子夫婦は西宮ガーデンズに出かけて行った。家内は相変わらず近所の奥さんと買出しの続編でバタバタしている。というわけでリビングの特等席に陣取ってひとり好きな番組を満喫した。
 「相棒」の面白さは何よりも原作の推理小説としてのレベルの高さである。意表をついたストーリーを緻密な論理構成で見事に完結させていく。一作一作が落胆させられることのない確かさを持っている。加えて水谷豊演じる杉下右京と寺脇康文演じる亀山薫の相棒コンビの緩急を心得た対照的なキャラクターの演じぶりも魅力である。捜査一課員・伊丹他二名、鑑識課員・米沢の個性的な脇役陣がドラマを引き立てる。亀山の妻・美和子、杉下の別れた妻・たまきのレギュラー女優陣もそれぞれにしみじみとした愛の形を滲ませる。 
 「十津川警部シリーズ」は推理小説の面白さに人間ドラマを加味した魅力というべきか。加えて寝台特急「北斗星」、「スーパー雷鳥」、「トワイライトエクスプレス」 「オリエント急行」などの鉄道ファンにはたまらない列車が事件の舞台となる点も魅力のひとつである。こちらも十津川警部と亀井刑事のコンビがメインの配役である。トラベルミステリーの第一人者・西村京太郎の魅力をいかんなく発揮したドラマである。