おきな友だち2014年11月11日

 住宅街の老人会が開催するいきいき体操に週一回通っている。市が奨励する高齢者向けの健康体操である。転倒防止の引きこもり対策体操の趣きもある。そんな気分もあってか毎回結構たくさんの参加者がある。毎週定期的に開催されるため自ずと顔見知りになり言葉を交わしあう間柄の友もできてくる。
 元来、新興住宅街の寄せ集まりの人工の街である。女性はいざ知らずリタイヤしたオヤジたちの近所づきあいは稀である。現役時代の仕事がらみの友だちはあっても、地域での友だちはほとんどないに等しい。 反面、同じ山口でも旧地区は事情はかなり異なる。ご近所さんは昔ながらの共同体の住民たちである。現役時代でも週末には村の行事や神社仏閣の催事に駆り出され、いやでも幼なじみたちと顔を合わせる。ましてやリタイヤ後はその親交は一層深まり、おさな友だちの絆が復活する。
 新興住宅街のリタイヤオヤジたちも、70代になり心身の不安を覚えるようになるとようやく老人会や老人会主催の健康体操に参加すべく重い腰を上げることになる。ここに至ってやっと地域での友だちの輪が広がることになる。さしずめ「おさな友だち」ならぬ「おきな友だち」とでも言えようか。