地域ボランティアの裾野2016年05月21日

 明日、地区ボランティアセンターの有償ボランティア「よりそいサポート」の立上げ説明会を開催する。社協分区の今年度の事業計画の中でも最も重視している活動である。20年間に渡る社協分区活動の集大成ともいえる事業である。お年寄りや障がい者、介護者等の日常生活の困り事支援を地域住民同士で支え合う仕組みづくりを初めて地域に提案する。
 明日の説明会に利用やサポートを検討頂ける住民の皆さんにどれだけ参加頂けるかが焦点である。事前の打診で一定の感触は掴めている。オヤジ会メンバーの内18名の方が参加頂けそうだ。予定があって当日参加はできないがサポーター登録は考えている方も多い。7名の地域の知人・友人の参加の意向も聞いている。コープこうべの地区本部の暮しの助け合いの会のスタッフの見学もある。
 市内でも社協分区による独自の有償ボランティアの立上げは初めてのようだ。この事業の成否の鍵を握るのは地域ボランティアの活動の広がりと浸透度合いだろう。その意味でも地域福祉のボランティア拠点としての社協分区活動の集大成でもある。

長尾医師の講演「穏やかな最期を迎えるために」2016年05月22日

 福祉ネット役員会を終えてそのまま西宮市立勤労会館に向かった。著名な在宅医である長尾和弘氏の講演を聴くためだ。
 福祉ネット発足2年目を迎えて在宅ケアが主要なテーマとして浮上した。福祉ネットのかじ取り役としてはこのテーマに無関心ではいられない。そんな時に出会ったのが患者本位の独自のスタンスで在宅医療に精力的に取り組む長尾医師の活動ぶりだった。氏のブログに目を通し、著作も2冊買込んで読み始めた。その長尾医師の講演が聴けるとあって福祉ネット役員会で同席だった市社協地区担当者と一緒に会場に向かった。
 「穏やかな最期を迎えるために」と題した西宮母親大会の記念講演だった。定員400人の会場を埋め尽くすほどの入場者だった。講演では「終末期をいかにして平穏に迎えるか」というテーマについて様々な医療的な観点から述べられた。端的に言えば終末期の過剰な延命措置を排した平穏死こそが望ましいということになる。「人間の水分は赤ちゃんの頃の80%から徐々に減少する。高齢者は50%程度になる。終末期の脱水症状はごく自然なもの」「延命死は溺れ死ぬこと。平穏死は枯れて死ぬこと」等の語録が語られる。合間に動画で上映された伊丹十三監督の映画「大病人」のさわり部分も説得力のあるものだった。
 会場受付で配布された資料に、長尾氏の3篇の産経新聞連載記事があった。「在宅療養」「がんの基礎知識」「認知症の基礎知識」である。帰路のバス車中で読み耽った。講演内容を反芻できる分かりやすい内容だった。

有償ボランティア・よりそいサポートのキックオフ2016年05月23日

 昨日の午後、地区社協ボランティアセンターの有償ボランティア・よりそいサポートの立上げ説明会を開催した。ボランティアコーディネータの一員として1年がかりで準備を進めてきた事業である。先月就任した社協分区長としても今年度最も重点を置く事業として提案した。
 説明会は地域住民の皆さんに、初めてその全貌をお伝えし、利用者登録、サポーター登録をお願いするいわばキックオフの場である。それだけにどれだけの住民に参加して頂けるかが焦点だった。
 1時半の開会を前に大勢の方に会場に足を運んでもらった。事務局で多目に準備した筈の配布資料45部が間に合わず追加印刷に追われた。最終的に会場のコミュニティーセンターを埋め尽くす57名の参加者で溢れた。嬉しい誤算というほかはない。地域での高齢者の困りごと支援のボランティアへの期待の大きさを物語っている。
 最初に13名のボランティアコーデネーターが紹介された後、私から40分ほどかけてに「有償ボランティア導入の背景と趣旨」を述べ、「よりそいサポートの仕組み」を説明した。
 その後40分ほどに渡って活発な質疑応答があった。「この初めての試みは、どこかの先進的な事例を参考にしたのか」「子育て卒業母さんたちが空いた時間をこの活動に気軽に参加できるような仕組みを」「実際の活動実施はいつごろか」「提供されたサービスの質をめぐるトラブルを想定しているか。その場合の窓口は誰か」「自立生活支援の趣旨は理解できるが実際に支援を依頼できる活動の中身はどんなものか」「見守り活動との連携を通したニーズの発掘が必要ではないか」「有償ボランティアという言葉に抵抗がある。ボランティアとは本来無償ではないか」「今現在様々な困り事を抱えている。今すぐにでもやってほしい」等々。10名ほどの皆さんからの質問、意見、要望だった。閉会後にはサポーター登録10名、利用希望カード3名を頂いた。
 よりそいサポートが順調なキックオフを飾った。

リタイヤオヤジの井戸端会議2016年05月24日

 よりそいサポート説明会のあった日の夕方5時からちょい呑みオヤジ会があった。今回は呑み会グループの15人の皆さんに参加してもらった。その内9人の皆さんは説明会に引き続いての参加だった。
 オヤジ会のメンバーには事前に携帯電話のショートメールでご案内し18名の方から参加の意向を聞いていた。またオヤジ会で5月29日のコープサークル「男の料理塾」の参加をご案内したところ8名の方の参加がある。西宮ユネスコ協会の会員であるメンバーからは近況報告で協会主催の史跡見学会への案内があった。合唱サークル主宰者であるメンバーの報告を聞いて一緒にやることになったメンバーもいる。メンバーの数人が丸山登山という共通の趣味を持ち合わせている。今回のオヤジ会でも丸山登山回数5000回を誇る長老の話に大いに盛り上がった。
 会を重ねるに従いオヤジ会の性格や機能が見えてきた。その最大の機能は情報の受発信機能だろう。俗っぽく言えば「リタイヤオヤジの井戸端会議」ということになる。地域に戻った団塊世代のオジサンたちは女房族の強固なネットワークに比べオヤジたちのか細さに戸惑っているに違いない。それだけにオヤジ会のネットワーク機能が浮上する。
 最近オヤジ会に参加したあるメンバーが終了後の感想をボソット漏らした。「オバサンたちはこんな場をあちこちで持っているんやろな」。然りである。

住宅街のデイサービスセンター訪問2016年05月25日

 昨日、福祉ネット北六甲の議長でもある自治会長からメールをもらった。2月から住宅街でデイサービスセンターを運営する自治会員の訪問を受けたとのこと。その際入手した事業内容等のデータの情報提供だった。
 今朝、その訪問者から電話をもらった。一度お会いして話を聞きたいとのこと。スピード感が信条である。1時に施設見学がてらお訪ねすることにした。
 オーナーとフィンランド人の奥さん、パートナーの知人の三人の方と懇談した。個人住宅だった民家を手直しし小規模なデイサービスセンターに衣替えされた。元の所有者が車イス生活者の介護者だったようで玄関横にエレベーターが設置され、1階の広いLDKもバリアフリーで、ほとんど手直しが不要だったとのこと。現状の利用者は数人だが3人の方と専門職3人の計6人がスタッフのようだ。
 オーナーの奥さんはフィンランドで永く介護ホームを運営され、今も二つの施設を運営されているという。その理念やノウハウをぜひご主人のふるさと日本で実践したいという想いがこの事業となった。
 乞われるままに私からはこの町の現状や福祉の実情をお話しした。高齢化の実態、社協や福祉ネットの取組み等の話の延長で、ちょい呑みオヤジ会にも話題が及んだ。住民で呑める口のご主人はオヤジ会メンバーの有資格者である。次回のオヤジ会へのお誘いをして懇談を終えた。

社協各分区の地区ネットワーク会議の取組み2016年05月26日

 昨晩、山口分区の代議員会に来賓として出席した。4月に分区長に就任して初めての対外的な行事参加だった。
 会場の山口ホールで午後7時30分から開催された。出席代議員の構成や規模、議事進行等はかなり共通している。元々山口支部であった組織が山口と北六甲台の二つの分区になったという経過がある。規約等も含めて共通性が多いのも頷ける。
 代議員会では山口分区の「地区ネットワーク会議」の役割も兼ねた組織への見直しが重点テーマだった。分区の構成メンバー自体が自治会、婦人会、老人会、民生委員、ボランティアセンター等の地域組織から選任されている。分区組織をそれぞれの組織や役職の意向を反映させ実質的な議論ができるような体制に移行することで地区ネットワーク会議の機能を確保することが狙いのようだ。
 北六甲台分区では昨年3月に分区とは別に新たに社協分区、自治会、老人会、民生委員、ボランティアセンター等で構成される福祉ネットワーク北六甲台地区会議という組織を立ち上げた。ともに「地区ネットワーク会議」を念頭に置いた取組みであるが、その組織の形成や性格は異にする。同じ支部から分化して20年が経過し、それぞれの風土に見合った独自のカルチャーが培われてきた。それぞれの地区特性を活かした新たな取組みが始まった。

21日ぶりの生・花ちゃん2016年05月27日

 昨日、大津の花ちゃん宅を家内と一緒に訪ねた。ゴールデンウィークで花ちゃん一家が帰省して以来の21日ぶりの花ちゃんとの対面である。この間、FaceTime(テレビ電話)でしばしばバーチャルな花ちゃんと触れ合っていたが、そのもどかしさは如何ともしがたい。ご近所さんから頂いたメロンが食べごろになったという口実を見つけて生・花ちゃんに会いに行った。
 例によって家内が整えた持参物を部屋に運び込んだ時だ。リビングのフロアにうつ伏せになってこちらを見つめている花ちゃんを見つけた。前回、帰省時にマイカーを下りた直後の花ちゃんを娘から渡されてギャン泣きされた苦い経験がある。ここは一番ならし運転が肝要である。そっと近づいて優しく話かける。キョトンとした顔がやがて満面の笑みに変わった。しばらく遊んだ後、頃合いをみて抱っこした。ニコニコとご機嫌である。時に顔をあげて抱っこしているじいちゃんの顔を見つめてくれる。なんとも愛らしい。
 家内と娘が荷物の片付けに追われる間、ひとりじっくり花ちゃんと遊んだ。この時期の成長ぶりに目を見張らされた。ハイハイができるようになった花ちゃんがお気に入りのおもちゃをめがけて猛然と突進する。抱っこに疲れて床に降ろしたらお座りの姿勢でじっとしている。思わず「お座りできたッ!」と叫ぶと、「そこまではできるんやけどすぐ倒れる」と娘がのたまう。案の定バッタリうつ伏せになってしまう花ちゃん。
 11時過ぎに四人で昼食を兼ねて西武百貨店にお出かけした。抱っこひもの中で首だけを出してご機嫌な花ちゃん。母ちゃんの抱っこひもはすぐに眠りを運んでくれる何よりも大好きな特等席だ。
 7時間余りの滞在で久々の生・花ちゃんの確かな手応えを満喫し、その余韻に浸りながら3時頃に帰路に就いた。

有償ボランティア立上げ説明会の余波2016年05月28日

 社協分区が主催する行事でスタッフのおひとりのご婦人から話しかけられた。先日の有償ボランティア・よりそいサポートの説明会に参加してもらった方で、次のような感想や質問を頂いた。
 「有償ボランティアの利用料金を当事者間で直接やりとりするという点に不安がある。有償であるだけに作業結果についての依頼者の不満がトラブルになりかねない。釣銭の準備を巡っての行き違いの懸念もある。地域のご近所さんだけにそんなトラブルは尾を引きやすい。そんなことを考えたらサポーター登録することをためらってしまう。事前に提供者のそんな懸念を払しょくすることが大切ではないか」
 本質的な指摘だと思った。自立生活支援のボランティアという趣旨をどこまで周知できるかが問われる。特に利用者の皆さんには専門業者やシルバーセンターへの依頼との違いを理解しておいてもらわなければならない。もし自分の子どもが同居していていたら頼んだだろうという程度の内容と思ってほしい。利用料金は身内でない地域のご近所さんにやってもらったことへのお礼といえる。サポーターも地域のお年寄りの困り事を近所に住む親の面倒を見る位の気持で引受けてほしい。そんなことをそれぞれが事前登録する際にどこまで説明し理解して頂けるかがポイントではないか。
 「向こう三軒両隣」のお付合いが元々なかった新興住宅地での助け合い活動である。制度や仕組みをつくって人工的に「向こう三軒両隣」を培うしかない。昔ながらの共同体意識を望むべくもない人工の街の、それが新たなコミュニティづくりであり、超高齢社会を迎えた地域に不可欠なインフラづくりだと思う。

第2回・男の料理塾2016年05月29日

 2回目のコープサークル「男の料理塾」が開催された。今回はオヤジ会メンバー7人と主宰者の知人1名の計8名の参加だった。主催者側は前回3人が大幅に増え7人ものスタッフにサポートしてもらった。 
 前回同様、メインの蒸し鶏はじめ野菜サラダ、野菜の煮物、具だくさんお汁、ジャガイモもんじゃ焼き、お茶ゼリーなど盛り沢山のメニューだった。ポイント毎に教わりながら調理に励んだ。
 12時前には出来上がり、テーブルに盛り付けられた料理を前に集合写真を撮った。食事をしながらのよもやま話である。参加者は多かれ少なかれ調理に関心がある。ある方は奥さんに先立たれて10年近い。その方の以下の感想である。
 「ひとりだけの食事の調理が年々億劫になる。そんな時の料理塾の案内だった。この際、少しでも持ちネタを増やしておこう。レシピだけではその気にならなくても実際にやってみた料理の再現なら意欲も出る。これほど豊富な野菜も自分ひとりでは準備しない。みんなと一緒の食事も格別」。
 確かに美味しい料理だった。1時前には食事を終え、みんなで洗い物をし会場片付けをした。次回9月25日(日)の参加確認をして散会した。

社協分区のトライやる・ウィークの受入れ2016年05月30日

 地元中学校のトライやる・ウィークが始まった。社協分区も地域のボランティア組織のひとつとして生徒たちの受入れをしている。障がい者・児支援部が実施している障がい者の居場所づくり事業「青い空」での受入れである。分区長に就任して初めての受入れの様子を把握しておきたいと思った。
 9時半に会場の安心プラザを訪ねると、既に4人の女子中学生たちが責任者の指導を受けながら会場設営の準備を手伝っている。10時過ぎにはいつもの3人の障がい者の皆さんの顔が揃った。生徒たちが淹れてくれたお茶を飲みながら、参加者全員で自己紹介をする。スタッフは責任者と80代の男性ボランティアの二人である。付添いのヘルパーさんお二人を加えて、10時から15時迄の時間をお茶を飲んだり外注のお弁当を食べたりしながら過ごす。
 60代の男性障がい者は男性ボランティアとの将棋がお気に入りである。絶えず大きな声を発したりテーブルを叩いたりする30代の男性。専用車イスで寝たきりに近い状態の30代の女性。中学生たちには初めてみる光景なのだろう。多様な人たちが様々な形で生活を営む共生の姿が社会の現実である。社協分区でのトライやるを通してそうしたことを学んでほしい。