高齢者ケアと自治会2014年11月10日

 社協分区の福祉ネットワーク地区会議の設立に向けた準備が進んでいる。団塊世代が後期高齢者になる2025年問題を見据えた地域包括ケアの環境づくりである。在住の2千世帯を擁する新興住宅街の40%以上が高齢者在宅世帯であり、高齢化率は24%を超える。高齢化対応は全世帯の約9割の会員を誇る自治会にとっても放置できない重大課題である。
 ところが多くの新興住宅街の自治会同様、我が自治会も1年任期の自治会役員は毎年4月総会には全員総入替えとなる。クジ運やせっちん詰め状態で不運にも役員を引き受けざるを得なかった面々は、大過なく恒例行事を済ませて任期満了を迎えることをひたすら願っている。高齢化対応などの長期の重たい課題を新たに取組むなどもっての外という気持が強い。
 とはいえ放置できない事態も顕在化してきた。4年前に住宅街にあったスーパーが退店を決めた際にも自治会は何ら手を打てなかった。以来、お年寄りの買物弱者化が顕著になった。重いコンテナの出し入れが必要なゴミステーション当番にも悲鳴が聞こえる。坂道の多い地形で車の免許返上後は移動手段の不便さから阪神間のマンションに引っ越す高齢世帯も出てきた。空き家の増加は環境悪化、防犯問題、資産価値低下を招いている。
 民生委員の立場からも高齢化対応は避けて通れない。3年前の自治会総会で自治会の対策着手を訴えた。今年の総会では事前の自治会三役との調整で「ネットワーク会議発足時には自治会も参加する」旨、議案書に明記された。他方で社協の担当役員として「福祉ネットワーク会議構想」を策定し組織内の承認を得た。福祉ネットは、社協を中心に自治会、老人会、ボランティアセンター、民生委員が連携して高齢者、障がい者、介護者のケアに取組もうというものである。
 自治会が自ら中心になって高齢者対応に取組むのは困難でも、社協中心の対応の場に参加することは可能である。先月初めに社協策定の福祉ネット構想案(趣意書・事業計画案・会則案・組織図)を自治会長に届け、中旬の三役会で説明と質疑を行った。三役会の前向きな賛同を得て総会に次ぐ機関である班長会議での説明を求められた。先日その班長会議があり、説明と質疑を経て大多数の賛同が得られた。
 長期の重大な新規案件に取組み難い構造の自治会の制約を、主管の地域組織が中心になって自治会も巻き込んだネットワーク組織で乗り越えるという現実的で効果的な方策が見いだせた気がする。

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