北重人著「夜明けの橋」2019年04月09日

 蔵書の藤沢周平作品を再読しつくしていよいよ読む本が亡くなった。後期高齢者の足音が聞こえそうな齢を得て、新たな作家や作品を模索する意欲はない。結局、本棚から再読した記憶のない別の作家の蔵書を探すことになる。それもできるだけ藤沢作品のイメージに近い時代小説になる。
 そんな意図で取り出した作品が北重人の時代小説「夜明けの橋」だった。武家もの3篇、市井もの2篇を納めた短編集である。この短編集の特徴は何といっても舞台が江戸時代初期の幕府開闢にまつわる物語という点だろう。その時代を舞台とした作品はあまり読んだ記憶がなく、その意味では興味深いものがあった。
 ただ物語自体の面白さという点では、藤沢作品には及ばないというのが率直な感想だった。

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