北方謙三著「史記 武帝紀」(二)2014年11月20日

 北方謙三著「史記 武帝紀」の第二巻を読んだ。期待に違わずその面白さに一気に引き込まれている。朝の散歩帰りのマクドナルドでの束の間の読書時間は至福のひと時である。医者通いの待合室や、今は数少ない機会となったバス車中でも読み耽っている。
 第二巻は、皇帝劉徹に見いだされた若き将軍・衛青の宿敵・匈奴との闘いが主軸である。衛青は匈奴の騎馬隊をも凌ぐ精強な騎馬隊を自ら育て上げる。その部隊を率いて匈奴との闘いに勝利し広大な河南(オルドス)の地を奪還する。そこは漢と西域を繋ぐ皇帝劉徹の悲願の地だった。その軍功をもって衛青は、漢軍全体を率いる大将軍に任ぜられる。
 他方で第一巻のサブストーリーだった張騫の西域の旅が苦難の果てに長安への帰国を果たす。衛青の甥・霍去病の鮮烈な登場も目を離せない。加えて司馬遷の登場である。いうまでもなくこの作品の原書である「史記」の著者である。皇帝劉徹との葛藤は余りにも有名な史実である。この司馬遷が北方版・史記の物語でどのような役回りを演じるのか興味は尽きない。ちなみにウィキペディアによれば衛青、霍去病ともに実在の人物である。

コメント

_ 和道 ― 2014/11/21 10:10

 久しぶりにコメントします。
 最近は私同様、北方謙三の歴史小説に嵌っている由。ご同慶にたえません。ただ惜しむらくは、北方氏に歴史小説の新刊書がないこと。既刊物を読みつくした私は、専ら無聊をかこっている毎日です。
 ただ情報提供としてコメントするのですが、高橋克彦の歴史小説も十分読みごたえがありますよ。特にPHP文芸文庫から出ている平城朝の蝦夷と朝廷の対立を扱った
「風の陣」(全5巻)は最高です。もしまだ読んでいないようでしたら是非お勧めします。とりあえず情報提供まで。

_ 明日香 亮 ― 2014/11/21 15:33

情報提供ありがとうございます。史記の残り4巻の後を探していたところです。
蝦夷を題材とした古代歴史小説はそれだけで興味をそそられます。ぜひ入手して読みたいと思います。全5巻の大作でしばらくしのげそうですね。

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